日本東洋医学会 関東甲信越支部長 ご挨拶
国際医療福祉大学成田病院 病院教授
日本東洋医学会理事
並木隆雄
2023年10月
この度、関東甲信越支部では、ホームページを開設することとなりました。そこで、僭越ではございますが、ご挨拶させていただきます。
前支部長の木村容子先生の御推挙をいただき、さらに関東甲信越支部役員のご賛同を得まして後任として、わたくし、並木隆雄が関東甲信越支部長の重責を担うことになりました。先日の日本東洋医学会代議員会後に承認されました。交代するにあたり、木村容子先生の長年にわたるご活躍により、関東甲信越支部をここまで牽引してこられ、その責務を全うされたことを目の当たりにしてきた一人としては、その後任として私がその任に堪えうるかどうか、大変不安な思いもあります。東洋医学会としての支部として最多の十都県が所属する関東甲信越支部全体をまとめるにあたり、木村先生が十分ご活躍できたのは、おそらくその両腕に磯部秀之副会長、会計として盛岡頼子先生の頼れる方々が控えていらしたことにもあったと推察しています。さらに不安なことには今回新体制を打診され、引き受けた前後にわが支部内での構成員である施設の体制が大きく揺らぐという激震が走りました。この想定外の事態が発生し、2023年7月以降の新体制に移行するにあたり、その当初から大きな課題をいただいたような状態になったのは、自分の運命を達観するのみでありました。しかし、幸いにも、支部の事業遂行の要(かなめ)となる前記3役として、副会長を東海大学の新井信先生、会計を東京医科大学の及川哲郎先生にお願いできましたことは、当方を勇気づけることとなり、新たな船出を決意するに至りました。
さて、支部のみならず、日本東洋医学会全体の問題として専門医の伸び悩みがあるのはご存知の通りですが、会員数の多い関東甲信越支部としては、その数のみならず、専門医の質としての育成を本部のみに任せるのではなく、支部として力を注ぐ必要があると強く考えております。すなわち、全国のモデルケースになるようにしなければいけないと考えております。
支部独自の企画を考える必要があると考えています。方向性を誤らないようにして質の高さを維持育成する舵取りをしていかなければならないと思います。一つの案として、専門医に「煎じ薬がだれでも使用できる環境を作ること」を目指したいと思います。これについては、新井信副会長が推進役を引き受けて下さいました。また、2020年からのCOVID-19対応に明け暮れ3年が経ちましたが、やっとその対応と共存して、対面での会議を復活・推進したいと考えます。オンラインはそれなりによい点はありますが、対面に勝る会議や講演形式はないと個人的には考えていますので、ハイブリッドを含めて、行っていただければと思います。東京での講演会の会場は確保できれば、会計の及川先生のご配慮で東京医科大学での会場を中心に確保する方向で、手伝うこともできます。また、あくまで、支部活動の案ですが、ICD-11の伝統医学の章の活用も、うまく利用できれば所謂ビッグデータとなり、今後の漢方診療の統計や改善策を見出す大きなツールとなります。その具体的活用やフィールドテストなども、関東甲信越支部が参画できれば、漢方医学の科学化につながります。
漢方医学に関心のある医師、歯科医師、薬剤師、鍼灸師・看護師などのさらなるスキルアップを目指した教育制度のあり方、また人材育成も念頭に置きたいと思います。ぜひ、これらの先生方の日本東洋医学会への入会を心よりお待ちしています。
なお、新執行部は今まで以上に風通しの良い運営に努めてまいる所存です。もちろん、多くの会員の皆様のご協力なくしては推進できません。 さらにお気づきのことがありましたら、いつでもご意見をお寄せください(入会やご意見のあて先・関東甲信越支部事務局:”関東甲信越支部事務局” <kanto.kampo5158@gmail.com>)。
今後共一層のご支援、ご協力をお願い申し上げ、支部長就任の挨拶に代えさせていただきます。